ん?結界?
そんなん張る話してんのか?
こんな戦いすぐ終わるだろうし…
客もいねーのに、必要なくねぇか?
そんな疑問は慎の次の言葉で分かった。
「笑さん!宥!悪魔に操られた人間が30人くらいこっちに向かってきてる!結衣たちが出来るだけ足止めするって言ってたけど、とりあえず時間がねぇ!もう開始していいってさ!」
「おう!まかせとけ!」
「お父さん!こいつ…侯爵レベルだよ」
はぁ!?
男爵のこいつが侯爵レベル!?
そんなことって…あるのか?
だったらなんで男爵なんだ?
それに、本人は気づいてないのか?
「宥、あいつは自分の実力に気づいてんのか?」
「ううん、気づいてない…けど、怒らせちゃダメだよ?無意識に力出しちゃうから」
それは、危険だな…
無意識が一番厄介なんだよ。
コントロール出来てない力は強力だからな。


