「命さん!次は僕とやりましょう!」


沖田がニコニコ笑いながら僕のところへ来た。


「いや、すまぬが僕はあいつと勝負してみたいのだが。」


そう言って僕が示したのは、無表情でさっきの試合を見ていた男。


沖田は僕の示した方に視線を移し、ムッとした顔をした。


「一君が先ですか?ずるいなぁ~。」


・・・お前は子供か。


「はぁ・・・解った。沖田と先に試合をするか。」


僕がそう言うと、沖田は待ってましたとばかりに木刀を構えた。


「ほらっ!命さん早くっ!」


僕は木刀を構え、沖田の眼を見た。


その眼は、明らかにさっきと違っていた。


明らかな、人を殺めた者の眼。


「面白い・・・ならば、僕から行くとしようか。」


僕はニヤリと笑うと、一気に間合いを詰め、突きを繰り出そうとした。


が。


「っ!」


道場に、木刀同士があたる音が響く。