こいつ・・・
「まるで、狐のようだな。」
「え?何か言いました?」
僕の独り言は隣の沖田には聞こえていなかった様だ。
「何でもない。
それより、僕を入隊させてくれるのか?」
そう僕が問うと、土方は少し考えてから言った。
「お前の実力を見てからだ。」
「あぁ、確かに。
では、誰かと試合でもするか?」
その言葉に、沖田は目を輝かせた。
・・・まるで子供のようだな。
「総司はだめだ。
お前は手加減しないからな。」
「おや。僕に手加減が必要だと?」
その言葉に、土方の顔が強張った。
「・・・いいだろう。
道場に何人か幹部を集める。
そいつら全員倒せたら、お前の入隊を認めてやろう。」
