「左之、もう酔いは醒めたか?」 出たときより、幾分か足取りがしっかりしている。 「あぁ。もうほとんど醒めた。」 「じゃあ、もうそろそろ・・・っ!」 空気を裂く音。 僕は左之を突き飛ばし、飛んできたものを片手で掴む。 「・・・何だ。」 手を開くと、透き通った色の無い苦無が乗っていた。 「それは・・・何だ?」 チラリと左之に視線を向けると、もう体制を立て直していた。 新撰組十番隊隊長の名は伊達じゃないな。