思わず声が漏れるほどの、浪士の山。


たぶん、部屋が空いていないため、簀巻きにして転がしたんだろう。


だからってコレはひどい。


「あっ!志乃神!やっと帰ってきた!」


声がしたほうを向くと、明らかに疲れきっている原田が居た。


「こいつらの捕縛して回るの、すごい大変だったんだからなー!」


そう言いながら今にも掴み掛かって来そうな原田の目の前に、


「はい、これ。今日のお礼だ。」


お酒を突き出すと、原田の顔が輝いてゆく。


「五升も買ったから、皆で飲めるぞ。」


斉藤はあきれながら告げる。