あの後、何の問題は無いと言われた斉藤の刀を受け取り、


僕たちは屯所への帰路を歩いていた。


「ん?斉藤、アレは何の店だ?」


そう言って、小さいがとても上品な店を指す。


「あれは茶屋のようだな。少し休憩するか。」


「そうだな。」


僕たちは茶屋に入り、女将に茶と団子を頼み、席へ座った。


「そういえば、左之には悪いことをしたな。」


「志乃神が斬った浪士たちのことか?問題は無いだろう。中には長州浪士も混ざっていたしな。」


「それはそうだが。あの数だと捕縛するだけでも大変だ。


何か買って行ってやろうかな。斉藤、左之が好きなのは何だ?」


運ばれてきた団子を食べていた斉藤は、茶を一口飲んで答える。