「・・・コレに入ってるお前の妖力は大きいみたいだな。いざとなればコレを媒介にして・・・ってことだな。」


「かわされた。まぁいい、お前の考えている通りだ。秘密は守れよ?」


その問いに頷いてみせ、僕は斉藤を呼んだ。


「ずいぶん長かったな。」


斉藤抜きで目当ての刀を探していたと思ったらしく、少しすねているようだった。


「すまん。慎とは古い付き合いなんだ。」


「・・・別にそんな事聞いていない。」


「まぁまぁ、そういや斉藤、刀はどうだ?まだ刃こぼれとかはしていないか?」


慎の言葉を聞いて、斉藤は帯から刀を抜いた。


「まだ大丈夫だと思うが、念のため慎に見てもらおうと思ってな。」


「了解。志乃神はどうする?」


「僕はこの刀を貰えたから、良い。」


貰えたの部分を強調して、慎を意味ありげに見る。


「・・・解った。じゃ、状態確認するからちょっと待ってろ。」


そう言って、慎は奥の作業場のような所へ引っ込んだ。