「神殺しの刀だっていうのは解っていたんだが、妖怪が封印されているようだから、何らかの拍子に解かれないかと心配でね。」


「それにはな、送り雀と送り狼が封印されているんだ。・・・刀、返してくれないか。」


「あぁ、ほい。」


慎は、鞘が付いた刀を投げて渡す。


僕はその刀を抜いて、慎に見せる。


「この刀の刀身には、僕の印が刻まれてるんだ。」


「印?そんなのどこにも無かった気が・・・。


あぁ、お前の気に反応して浮かび上がるのか。」


「ま、そんなところだ。雀と狼も、正確に言うと封印と言うより、その刀を媒介にして現れる守護者みたいなものか。」


慎が理解したようなので、抜いた刀を鞘へ戻す。


「えらい厳重だな。しかし、何でそんなものを手放したんだ?」


慎の目に興味の色が見えた。