「ついたぞ。」
道中、浪士に絡まれて斬ったり斬ったりしながら辿り着いたのは小さな刀屋だった。
ちなみに、浪士は後で巡察中の原田が捕縛して回るそうだ。
「店主、いるか?」
斉藤がガラガラと戸を開いて声をかけると、中から店主が出てくる。
「ずいぶん若い店主だな。」
見たところ、20~30といったところか。
「斉藤じゃねぇか。なんだ、この兄さんに店を紹介したのか。」
「あぁ。お前は腕はいいからな。」
「腕はってなんだよ。・・・あぁ、すまないな、兄さん。
俺は賀田芽 慎っていうんだ。よろしくな。」
賀田芽慎・・・かためしん?
