「斉藤のおすすめか。どんな店だ?」
「隠れた名店、という店なんだ。
大から小までいい刀がそろっていて、なにより、職人がいいんだ。
もし折れても、折れたものを持ってくれば、修復してくれるんだ。」
「ほう・・・。斉藤、今日は非番か?」
「あぁ。」
「ならちょうどいい。その店の場所を案内してくれないか?」
「わかった。なら、出発は早い方が良いな。支度をしよう。」
・・・そういえば。
「斉藤、確かお前、土方から言伝があるって・・・。」
「あぁ、志乃神が暇そうだったらつれて来いということだから、
俺が今の話を通しておく。」
そう言いながら、斉藤は立ち上がり、僕に背を向けた。
「ありがとう。」
斉藤は僕のほうを向き、静かに笑うと、部屋から出て行った。
