「俺は、斉藤一だ。」


平助の後ろから、斉藤がスッと現れた。


「うわっ!びっくりした!一君、いきなり背後から出てこないでよ!」


「む、すまぬ。」


「ふふっ。よろしく、斉藤。」


そう言いながら二コリと笑った。


「おい。」


後ろから、土方の不機嫌な声が聞こえた。


「・・・なんだ。」


「不本意な結果だが、俺は勝った。」


「僕の・・・正体の事だろう?


だが、ここでは人の目が付く。」


「なら、俺の部屋で話そう。」


そう言いながら、土方は背を向けて歩き始めた。


そうだ。


「お前達も来い。


土方が信頼するお前らなら平気だ。」