「命さん、どうして土方さんの方がどうみても劣勢だったのに、降参したんですか?」


そう言いながら、沖田が歩いてきた。


その質問には、土方も同じ意見だったらしく、睨む様な眼でこっちを見てきた。


「そうだな・・・土方の精神的な強さが勝った。とでも言っておこうか。」


その返事に、沖田も土方も解っているのかいないのかはっきりしない表情をした。


まぁいい。いずれ解る時が来る。


「それより、先にここに居る幹部の名前、永倉が遮ったせいで聞けてないのだが?」


「あっ!ひでぇ!命だって早く試合したいって言ったじゃねぇか!」


そう永倉が叫ぶと、周りの者がどっと笑った。


「えっと・・・じゃあ、私からで良いですか?


私は、井上 源三郎。みんなからは源さんと呼ばれてます。」


優しそうな人だ・・・。


「よろしく、源さん。」


そんな朗らかな雰囲気を壊すように。