「引き分け・・・だな。」
「あぁ、そのようだな。」
僕は、さっきまで試合をしていた男と笑みを交わすと、
ずっと試合を見ていた土方のもとへと歩いた。
「さて・・・これで僕の実力、解ってもらえたかな?」
「あぁ・・・総司、新八の二人を、瞬殺・・・。
そして斉藤とは引き分けとは・・・。」
それを肯定だと受け取った僕は、踵を返すと折れた木刀と引き換えに新しい木刀を二本持ってきた。
「では・・・これからは君と僕との勝負だ。
だが、これは入隊試合とは関係なく、勝手も負けても僕は入隊できる。
それでいいか?」
僕は土方に木刀を渡しながらそう聞いた。
そして、土方が重々しく頷いたのを確認すると、僕は土方と向き合うようにして立った。
