「もうっ‥やめてよ!!」




普段見せない怒りを
あたしは思いっきりぶつけた






あ…‥?





「大丈夫か‥?あかり」





そう優しく言う
今目の前にいる人は




さっきの二人組とは全く違う




それはもう比べ物にならないくらい





素敵な人だった





「ヒロさん‥?」



「おう‥走るの早いな。
追い付けなかった」




へ?



追い付けなかった、って




「さっきの見てたの?!」



「あぁ‥駅で待ってたら
あかり見つけて
寄られてたから、行こうかと
思って。
そしたら、すんげぇ早さで
走りだすからビビった」



「あ〜‥そうなの?」




なんだ

ヒロさん駅にいたんだ〜




‥じゃなくて!!!



見られてたんだ…




さらに恥ずかしいじゃん(泣)






「ごめんな…」




ヒロさんのその言葉に




あたしの息切れは
一瞬で落ち着いた





「ヒロさん、あのね」



「あ、えっと…
話は俺ん家でしよ。
車あっちだから」



「うん、わかった」




駅に戻り
地下の駐車場に向かった





久しぶりに見た
ヒロさんの車に少し涙腺が緩む





また‥会えたね。