「‥最後?」



腕を握るヒロさんの力が
少し緩んだ






「ヒロさんは不安にならなくていい。
心配なんてしないで。
あたしは、泣かないから。
変わるの。いや、変わったのよ。
後でなんか後悔しないし
戻ってもこない。」






ヒロさんと別れると
言ったのは、あたし




好きな気持ちを抑えて
理乃さんを優先したのも、あたし




ヒロさんを忘れようと
決意したのも、このあたし






全部、あたしが決めたことに


ヒロさんも賛成してください





そして






笑って"ばいばい"





さよなら、したいんだ








あの写真から
脳裏に映し出された出会いの場



きっかけ


きせき


うんめい





その出会いの思い出が
また、あたしを押してくれた





初心に戻れそうな気がする




夜景の風景が





こんなにも力になって





ヒロさんと別れる
一歩になって




思い出した分



その幸せがあって良かったと思えた





笑った顔を作って





ここで、今







あなたと思い出に







手を振った