そう
もう無理なんだよ
ヒロさんと一緒にいるのは
また一緒に笑ったり
デートしたり
同じ時間を過ごすのは
できない
あたしは
ヒロさんを望んだりしない
ヒロさんを思い出さないように
ここに来たの
なのに
なんで‥
"離れたくない"って言うの?
こんなに距離を離して
こんなに愛を亡くしても
ヒロさんは
まだ愛があるというの‥―?
「…全部、話すから‥
聞いてくれ」
「話すって‥」
「長くなったけど
俺は最初から、あかりだと
決めた。あかりを
迎えに行くって決めたんだ。
理乃にはもう言ったよ。
あかりを選ぶ、って。」
「じゃあ‥どうして
こんなに過ぎたの?
どうして、すぐ‥」
涙が止まらなくて
ヒロさんの顔が歪んで見える
けど
少しだけ分かるのは
久しぶりに聞く、真剣な声に
安心感があった
「それは‥まだ言えないんだけど
これだけは言える。
もう少ししたら
今度は俺が、そっちに行くから
それまで待っててくれないか?」
待つ‥―
少し、ってどのくらい?
また
何年もの時間と
戦うの‥?

