「どーぞ」
「ありがとう」
ヒロさんからコーヒーを受けとり
そのまま一口飲んだ
甘めな味
ブラックが飲めないのを
知ってての甘め?
あたしのこと
まだ覚えてたり‥するのかな
コーヒーを両手で持ちながら
そんなことを考えた
「まずは‥謝りたい。
すいませんでした」
「え?‥やめてよ‥そんな」
なんで謝るの?
ヒロさんは何も悪くないじゃない
謝られるようなことは
されてないよ‥
そんなの
あたし…惨めなだけじゃん
「いや‥まさか、あかりが
こっちに来るなんて
想像してなかったから‥
まだ言いたいことが
はっきり伝えれないんだ」
「想像‥?」
「俺が、あかりを迎えに行く
って言ってたのに
‥遅くなった。」
遅くなった‥―?
‥って
どういう意味?
「理乃とは付き合ってない。
あれから一人で考えて、
俺には あかりしかいなかった。
あかりしか、浮かばなかったんだよ」
「何‥言ってるの?」
「1年以上も連絡できなくて
すまなかった。
俺さ」
「やめて‥」
話を続けるヒロさんを
あたしは止めた

