「あ、あの‥あたし‥
あかりです…―」
噛みまくりじゃん‥
恥ずかしい
「‥あかり‥!?」
ヒロさんの声
機械を通してても分かる
優しい声
「‥うん」
バタバタと物音と共に
扉の鍵が"ガチャ"と鳴った
勢いよく開かれた扉の向こうには
「ヒロさん‥」
1年4ヶ月
見てなかった姿
長い間
感じれなかった距離
今
目の前にある
こんなに久しぶりなのに
違和感がないのは
どうして‥?
髪型も背丈も格好も
あの頃と全く
変わってないから?
ホッとした半面
悲しくなった
いっそのこと
分からないくらい
別人になっているか
もう違う人に変わっていて
ほしかった
あのまま
そのまま
ヒロさんのまま
目の前のヒロさんは
あのヒロさん
何も変わってなく
好きだったヒロさん
封じていた気持ちが
1年前の気持ちが
溢れ返ってきちゃうじゃん‥―