紙袋の中身は分かってる



目の前でヒロさんが選んで
あたしに付けてくれて
そのままお買い上げ




"プレゼントだから包装してもらお"





ってことで
すぐ外されたネックレス






値段は正直言って高いと思う



それなのに
あたしに似合うという理由で
迷いもなく会計したヒロさん





最後まで太っ腹な性格だったな






"ありがとう"




包装されたネックレスを片手に
お礼を言うと
ヒロさんは満面な笑みで答えた





"ちゃんと付けろよ?"





きっと意味はない





付けたネックレスを
いつ見るのか



あたしの輝きは
ヒロさんがいないと
意味がないんだ






バックから取り出した
紙袋を窓際の棚の上に置いた





小さな青色の紙袋は
部屋と正反対な色




なぜだろう





青ってだけで浮いてみえる



違うよ




ヒロさんからの愛が
そこに映し出されたから




白色の部屋に青の紙袋は




ワンポイントになった





開けることのない紙袋は




飾りでしかない





あたしのワンポイントには




ならないんだ