しばらくして
あたしは、ようやく立ち上がり
病室へと向かった





理乃さんに会って
報告をする




今は帰った方が
いいのかもしれない


理乃さんを興奮させないためにも
あたしの存在は
見せない方がいいと思う





だけどね




後では遅いんだ



理乃さんの傷付いた心に
今、あたしが教えてあげないと



ヒロさんの存在には
敵わないかもしれないけど
これは、あたしの存在を
思い出にしてほしいから






「機嫌はどうですか?
楽になりました?」




病棟の廊下を歩いていると
前からさっきの看護婦さんが
歩いてきていて
あたしにそう聞いた




「もう大丈夫です。
心配かけました」



「それは良かったです。
顔色も大分スッキリしたようで
安心しました。
あ、磯山さん意識も
はっきりしてましたし
会話も随分できてましたよ。
笑顔 見せてあげて下さい。
では、あたしは失礼しますね。
何かあったらお呼びください。」






この看護婦さん
すごく優しい笑顔だ




みんなのことを
必死で支えようとしてる




若くて新米っぽいのに
喋り方や接し方が
すごく心地良い



安心する