ねぇヒロさん?




理乃さんが東京にいるって
知った時、言ったよね



"今から会って話してくる"


近くにいたらダメ、と

俺がダメになってしまう、と


そう思ったんじゃないのかな



あの真剣な表情の中には
隠しきれない想いが
浮かんでたんだよね





「ヒロさんは真面目すぎ‥
もう少し、楽に考えた方が
よかったんだよ」


「真面目?俺が?」


「うん真面目」



"そうか?"なんて
頭をかくヒロさん




理乃さんの"愛"は
半端なく大きくて
それを支える力を
ヒロさんは知らなかった



一度離れてしまったものを
再び傍にやるのは
ヒロさんは嫌だった



そんな関係をヒロさんは
やりたくなかったんだ




一年間付き合ってれば
そのぐらいのことは
伝わってくるんだ




真面目だから
傷ついてしまった


バカだったら
もっともっと



進めたんだよ?



苦しむことなんて
なかったんだよ?




理乃さんも あたしも



きっぱりと道が別れたはずなのに





ヒロさんの真面目な愛が
余計に混乱さしたんだ



ヒロさん自身も―‥