病院に着くと
静かで何も聞こえない



緊急時の入り口から入り
受付に聞いてみた




「さっき運ばれてきた
女性なんですが‥」



「あぁ…きっと手術中だよ。
大量の出血で
意識不明の重体。
さっき付き添いの方は
待合室にいたけど」



「そうですか。
ありがとうございます」




大量の出血


意識不明の重体




急に実感した
恐怖で冷や汗がでてくる




理乃さん…大丈夫なの?




なんだか
自分が加害者のようで
居心地が悪い



あたしが理乃さんを
こんな風にさせてしまっんだ






待合室を探していると
ベンチに腰かける
ヒロさんの姿を見つけた



前屈みになり手を力強く握り
何かを祈っているかのように‥





「ヒロさん‥?」



「‥あかり‥!!」



そんな顔しなくても‥



あたしは平気だよ?


だから申し訳なさそうな
表情は見せないで




「悪かった‥
何も言わなくて」



「ううん。全部聞いたよ。
理乃さん、意識不明
なんでしょ‥?」



「あぁ‥」




悲しくて
情けなくて




理乃さんに向けられた
心配…‥そして




愛が見えた気がした