食事後


コーヒーで最後を締める



楽しかった

大切な人の家族と
笑って過ごした今日は
あたしの貴重な日となった


そして、みんなが席を
立とうとした時
お祖母ちゃんが思い出したように
口を開いた



この言葉にあたしの
笑顔が消えてしまう―‥





「そういえば‥
あかりちゃんって
東京に住んでるのよね?
確か‥ヒロと同じ
マンションって聞いたけど。
近いんだから
またいつでも遊びに
来てくれたら
あたしは嬉しいわ〜」




あたし?


‥が東京に―??



いや‥住んでませんけど‥


お祖母ちゃん
勘違いしてるのかなぁ



「あの‥」

「お祖母ちゃん!!!
それは理乃さ‥
っ‥!!!」



へ‥?!


"理乃"って言った



久しぶりに聞いた名前

あの電車で以来
会ったことはなく
ヒロさんの言葉を信じて
不安なんて、とっくに
消えていた




この場で
その名前が出てくるなんて
あたしは理解できなかった



美紀さんは口元を押さえ
"やばい"とばかり
この状況に困惑していた




「どういう事だよ‥美紀」



ヒロさん?


かなり血相を変えたヒロさんが
美紀さんに怒りを表した