会話はあたしの話で
尽きることはなかった


最初は緊張が少しあったけど
話を続けていく中で
不思議と楽しくて堪らなかった



誕生日
趣味
特技
実家のこと
両親のこと
友人
ヒロさんに対して



全部、あたしについての
会話だったけど
疲れることなく
自己PR的な感じで
喋れば喋るほど
慣れてきて楽しくなるの




知ってほしい
分かってほしい



そんな気持ちになったんだ



この雰囲気が好きになった

横にはヒロさんがいて
落ち着いた
さらに美紀さんがいて
楽しい気分になった
目の前にはヒロさんの両親に
お祖母ちゃんがいて
親しみを覚えた




長い間ヒロさんと
一緒にいれて
長い間ヒロさんに
支えられ
長い間ヒロさんの
愛を感じた



そして今
これから長い間
共にしたいと思った人達がいる



ヒロさんに出会って
教えてもらった感情が





あたしの中で
大きくなっていくんだ




少しばかりあたしは
情に浸っていた


ヒロさんと美紀さんは
小さな喧嘩話をしている


両親はそれを
幸せそうに眺めていた


兄弟喧嘩を
幸せそうに眺めるって
ちょっと不思議な親だよね