「あかり!?
もしかして…」


「帰ろうとしたよ?
悪い?」



川島くんの言葉に
礼はキツーい一言を返した


「なんで?約束したじゃん。」



約束なんかしてないよ


一方的だな



「約束?そんなのしてないじゃん。
川島が一方的に
あかりに押し付けたんでしょ?
逃げたくなるのも
無理ないよ」



礼は言いたいことを
全部言ってくれる


だけど川島くんは



「あかりと話がしたい」



こんな感じで
聞く耳持たないで
礼を避けてあたしに近づいた



「あたしも一緒じゃダメ?
この子さ、気弱いから
何でも押されちゃんだよね。
彼氏もいるし心配だから、
親友として
川島に渡せないのよ」



ちょっとキレ気味な礼は
あたしの前から退かなかった



あたしも‥言わなきゃ



「川島くんのこと
嫌いだから‥!!」



「「はい?」」



え?


礼と川島くんは
揃って声を上げた



あたし…


変なこと言ったかな?



この際、はっきり
言った方がいいかなって
思ったんだけど



「ま、まぁ、そういう
ことだから!!
もう止めたら?」



振り返っていた礼は
再び川島くんに向きを直し
そう言った