「ちょっと‥!!礼、目立つから!!
こっちこっち!!」


「分ぁかったから
引っ張らないで!!」



校門を抜けるまで
影というあらゆる物に
隠れながら歩く二人


川島くんに
見つからないように‥ね



こうするしかなかった

だって一緒に帰りたくないし
普通に断っても
通じない人って分かったから
もう逃げるしか道はない



んでもって今
礼を巻き込んで
忍び足で帰っています



「ねぇ見てるよ‥?」


「へ‥」


校舎の影に身を潜め
南門から出ようとした時
後ろでそう呟いた礼



見てるって‥



「あれ、川島」


「………」



遠くにある校庭の木に
寄り掛かる男が一人


川島…くん?



「おーい!!!
何やってんだよー!?」



叫んだ…


こっちに寄って来る



「れれれ、礼!!!
どうしよ?!」


「あぁ‥もう!!
こうなったら仕方ない。
帰るしかないでしょ」


「ぇえ〜!!?
ダメだよ!!ダメ!!」


「あたしが一緒なら
大丈夫でしょ?
ヒロくんにも裏切りには
ならないと思うし。
‥安心してよ。
あたしがいるから。ね?」


「………」



礼の気持ちは嬉しいけど
…やっぱりダメだよ