置いてある車を
一台一台見る


人間観察の次は
車観察だ



あの車かわいいとか
あの車の色
変だなとか
暇潰しを満喫する



しかし
その中の一台の車に
釘付けになった




あの車…



それは
あたしの見慣れた車


ヒロさんの車にそっくりな
白のセダンだった



だけどヒロさんは今
仕事だし
ただそっくりな車だよね


同じ車なんて
たくさんあるし



そう思って
また他の車観察を始めた



だけどその時
そのそっくりな車に
またまたそっくりな
ヒロさんまでやって来た



いやいや‥!!


これは
そっくりなんかじゃない




確実にヒロさんだ!!!



慌ただしく車に乗るヒロさん



なんでここにいるの…?


仕事じゃ‥?



ヒロさんは嘘を
つくような人じゃない


もしかして
あたしを迎えに来てくれたんだ


きっとそうだ


なんだかんだ言って
いつもあたしを心配してくれる
ヒロさんなら有り得る



あたしは立ち上がり
その方へと走った



「ヒロさ…‥」



だけど
ヒロさんは猛スピードで
車を発進させ
どこかへ行ってしまった



え―‥



なんで?