「有り得ないな‥」


真奈が喋っちゃったせいで
礼に結局話さなきゃ
いけなくなったあたし


まさに有り得ない話に
礼は気分を悪くする



「ごめん。礼は
知ってるのかと思って…。」


さっきからズット
あたしに謝る真奈は
礼の表情を見るなり
申し訳なさそうな顔を見せる


「そもそもあたしに
相談しないのも有り得ない。
恵太とかいう男も
最悪だけど。
なんで早くに言わないの?!
あかり一人で悩んでも
結局ダメなんじゃん!!」



「だってぇ‥」


「‥いらないから。
あかりが悩んで、苦しんでるのに
同情なんていらないから。」



礼はすぐ悟った

あたしが相談しなかった理由を


真奈も深い話に
一生懸命ついてくる


HRの始まりのチャイムが鳴り
続きは放課後になった



「どうするの?」


「分かんない…
けど‥」


ヒロさんは言った

初心で見ててって。


あたしは見守る
惚れられた女になった



「じゃあヒロくんに
任せるしかないってことだね」


「あかりは見守る‥か。
恵太って子は
あかりにちょっかい
出さないの?」


「十分出してるじゃん!!
これ以上あかりに
何するのよ。」



礼と真奈は
淡々と話をする


ちょっかい…‥


キスされた


なんて言ったら
礼は恵太くんに
何をしだすか分からない


キスのことは
言えないよね―‥