「な‥にするの‥?!
ほんと最低だよ…」
みんないるのに
こんな場所で‥
なんでキスなんか
ヒロさん以外の人と
キスしちゃった‥
もう最悪―‥
恵太くんはあたしの前で
無言のまま立っている
「なに‥してるの‥?」
……!!
夏美ちゃんが
顔色を変えて近づいてくる
見てた‥?!
「なんで‥?ねぇ
なんでキスなんかしてるの?
恵太? 恵太ってば!!!」
夏美ちゃんは
恵太くんの腕を持ち
必死になってる
「うるせぇよ…
お前には関係ねぇ。」
「ちょっと…!!」
恵太くんは
外に出ていってしまった
夏美ちゃんの視線は
あたしに向き
ものすごい顔で睨んできた
「どういうこと?
あんた彼氏いるんじゃないの?
こんなとこで堂々と…
何考えてんのよ!!」
「あたしに聞かないでよ‥」
あたし何もしてないじゃん
恵太くんが急に…
「おい〜!?
何やってんだ?
早く準備しろよ。
店開くぞ??」
店長がきた
来ていた何人かの
バイトの人たちは
あたしを不思議そうに
見てる
さっきのキス
見てたよね…
びっくりするよ
当たり前じゃん
夏美ちゃんも
怒鳴ってるし
この空気は店長も悟ったみたい
「どうした…?
何かあったのか?
外には山下が座り込んでたし。
町田、どうした?」
恵太くんが
座り込んでた…?
なんで?!
「…いえ、何もないです。」
夏美ちゃんはそう言って
更衣室に入っていった

