「あかり‥っ!!」




ヒロさんの呼ぶ声を
無視して
あたしは礼を追った






もっと言ってやりたかったもっともっと
礼を裏切った罰を
分からしてやりたかった




だけど






礼の気持ちを
無駄にしたくなかったんだ



"他の幸せ語らないで‥!!"




あたしまで辛くなる




礼の精一杯の"さよなら"
だったんだ




「礼!!」



マンションの入り口で
座って泣いてる礼を見つけた




「礼… よく言えたよ。
頑張ったね‥」



「一人になっちゃった‥
勇が行っちゃったよ…
この前まで
ずっと一緒だって誓ってたのに。。
こんなのってあり‥?」




「…大丈夫。
礼は一人じゃないし
あたしがそばにいるじゃん‥」



「‥あたし‥
最後ぐらい笑いたかったな。
勇の中に
笑うあたしを残したかったよ…
ふっ‥ もう遅いね
今頃言ったって
どうしようもないのに…」




さらに泣き出す礼を
あたしは抱きしめた




礼は自分に嘘はつけなくて
自分を責めるばっかりだから
あたしは
綺麗な言葉なんて言わないよ




礼はそんな綺麗事なんて
受け止めないから‥








あたしの胸で
泣き続ける礼は一つのことを
ずっと言い続けていた









"大好きだった…"