｢無駄な涙流して
勝手に人を憎んで…
最悪だよね、あたし｣
そんなことない
｢そんなことないです‥
あたしが言うのも
変ですけど、
京子さんはヒロさんを
凄く愛してたって
証拠じゃないですか。
あたしも無駄な涙流して
勝手に悪い方向に
考えていっちゃって
後で後悔したことなんて
いっぱいあります。
だけど、それは
ヒロさんをそれだけ
好きってことなんですよ。
想えば想うほど
人は壊れちゃうんです‥
どうしようもなく
涙が出ちゃうんですよ‥
だから、京子さんは
最悪な人なんかじゃ
ありせん。素直なだけで、
最悪な人なんかじゃ
ありません。｣
｢……｣
京子さんは泣いた
声を上げて泣いた
｢京子さん…‥｣
｢あたしね‥
ヒロが好きな気持ちは
変わらない
だけど、あんたに対する
気持ちは変わったよ‥｣
｢え‥？!｣
あたしに対する気持ち…？
｢あんたって
ある意味すっごい
お節介野郎だね…
あたし、あんたを
憎んで、ヒロを
奪おうとしたのに
なんで…
なんでそうやって
優しくできるの？｣
｢優しくなんかないですよ。
あたしはただ
嘘は言いたくないだけです…｣
優しくなんかない‥
京子さんが
不器用なだけ
あたしだって
今初めて
言えたんだよ
京子さんに
あたしの想いを…
