AM11:20





卒業式は終わり
校内は感動のクライマックス


在校生は卒業する先輩たちと
それぞれ話をしている中





あたしは一人である場所へと
向かっていた






結局 礼は来なかった


連絡も一切なく
電話をしても繋がらない





本当だったら
今頃、早く学校から帰って
礼の家まで
行っているはずなんだけど…‥







今はこっちが優先―‥






"京子がさ、最後に
あかりちゃんと
話がしたいって‥"




"京子さんが?!
‥あたしと‥?"




"うん。
あ、この前みたいな
呼び出しとは
違うから安心して!!"




"あ…はい〜‥"




"‥お兄ちゃんのことで
話があるって…
最後だから
言っておきたいことが
あるからって京子が。"





"ヒロさんのこと‥"




"そう〜 だから卒業式
終わったら
四階の廊下で待ってると
思うから。
京子 一人で "






ヒロさんの話




なんの話だろ‥




ちょっぴり怖いけど
前から
京子さんと話はしたかった





今は
きちんと会話できる気が
するから



京子さんは
あたしのこと‥
あたしとヒロさんのこと
どう思ってるのか
知りたかった






きっと
ヒロさんの中でも
京子さんの存在は
大きかったはずだから…