“俺の女”






理乃さんへの不安はなくなり
ヒロさんと楽しい時間を過ごした







「着物…
似合ってるな」



「ほんと?
よかったぁ〜」





「振り向いたら
あかりが見えてさ‥
まじビックリした」




あのとき‥




奇跡的に振り向いてくれた




「なんで
振り向いたの?
てか、あたしって
気付いてたんだ〜」






「なんとなく振り向いたら
あかりが見えた。
着物着てたし
すぐ目にはいったからな」




よかった‥




着物着てて






「親もう帰った?
美紀いないし
もし見つかったら
ヤバいんじゃねぇ?」





あ…




そうだった‥





「こんだけ人多いし
大丈夫だとは思うけど〜」



「じゃ帰るか!!」




「そうする。」





ヒロさんは親が厳しい人
っていうのは知ってた




付き合ってるって報告を
してないことも知ってる







人混みの中をスッと抜け
駐車場に向かう




着物のせいで
ノタノタ歩きになってしまうあたしを
ヒロさんはそっと
手を差しのべて
引っ張っていってくれる





ヒロさんは
優しい―‥





何度も惚れ直すあたしは





恋バカだね…