“俺の女”






「‥なんだよ…」



ヒロさんはあたしの顔を
覗きこみながら言った




あたしの顔がまだ
うかつだったから‥






「‥今日、三人で来たの?」



「まぁ‥な。
俺は行くつもり
なかったんだけど
送迎で使われた」




「そうなんだ‥」





「そんな心配すんなって。
あいつは変なことするような
バカじゃねぇから!
俺らはもう何もないし
これからも顔合わせることも
ないだろ。
俺の彼女はあかり‥
他の女に興味なんてねぇよ」






変なこと…‥




浮かんだのは
京子さんだった




思えば理乃さんと
似てる部分がある‥





強めな性格なのは確実






あの態度だと
ヒロさんにまだ
想いを寄せてるのも確実







だけど





ヒロさんの言葉
信じていいの‥?







彼女として
堂々と横にいてもいいの?






"他の女に興味なんてねぇよ"






あたし
何を心配してるんだろ‥






目の前にいる大好きな人を
信じないで
あたしは一体何を信じるっていうのよ




ヒロさんはあたしだけを
見てくれてる





あたしもヒロさんだけを
見てればいいの






「ヒロさん‥ごめんね?
あたし信じてるよ。
ここまでしなきゃ
不安がとれないなんて
まだまだ成長しきれてないね
あたし‥」