「俺の親友だからだよ。親友の恋を応援するのは、当然だろ？」


「何よ、それ」


え？何で怒ってんの、コイツ？


「そういう上田君こそ、ちゃんと告白したの？」


ドキッ。


「えっ？何が？」


「ほら。前に言ってた、女の子」


「俺のコトはいいだろ」


「親友の恋を応援するのは、当然なんでしょ？だったら私だって、上田君の応援して当然じゃない？」


頭混乱してきた。好きな子に、恋を応援されてる状況……何だ、コレ。


「じゃ、わかった。上田君がその子に告白したら、私もする」


「何だよ、それ？」


「ぷいっ」


「おい、待てよ！」


ああ……行っちゃった。ったく、何考えてんだ、アイツは。


「お～い、上田！帰ろうぜ！」


……おい、まどか。神野、今ここに来たけど、お前はどこに向かったんだ？


「おいおい、帰ろうぜって……お前、ちょっとは未練とか、名残惜しいとか、無いの？」


「だって俺、別に友達多くないし」


いや、それは俺もそうなんですが。そういうコトじゃなくて。……ま、いいか。


「あれっ、まどかは？」


「知らない。さっきまでここに居たんだけど、どっか行った」


「えっ」


その困惑した神野の表情を見て、俺は凍りついた。


コイツ、まさか……まどかのコト、好きなのか？