「う、うわぁ…」


「……」




ベチャッという効果音を立てて、
まるで時が止まったかのように長い沈黙が続いた。



校舎を挟んだ反対側の校庭からはホイッスル音がテンポよく聞こえてくる。


夏を感じさせない涼しい風は、ザァッと木々の葉を揺らして音を立てながら校舎裏を通り抜ける。









「…」


「…」


「…誰」


「はい?」




下から見上げる…というよりか睨み上げると言った方が正しい。
不機嫌そうな少しぶっきらぼうな青年の声にハッと我に返り、
素っ頓狂な声をあげた。