「くすくす、嘘じゃないわよ。あなたの両親は亡くなったの。7月10日の午後4時半頃、飛行機事故でね」
「飛行機…事故」
「ええ、そうよ。その時乗っていた乗務員、乗客は全員行方不明もしくは死亡」
「それなのに、あなただけが生き残った」
「そんな……」
私だけが、生き残った……。
どうして…?
何で……?
なんだか泣きそうになって。
ふと結城くんを見ると、
今まで見たことのないくらい怖い顔で叔母さんを睨んでいた。
でもそれに全く気づいてない叔母さんは、今もなお笑い続けている。
「くすくす、でも私は感謝したぐらいよ」
「感謝……?」
「ええ。あなたが生き残ったのは別として、遺産をすべて残していってくれたんだもの」
「…そうよ、遺産はすべて私のものにするはずだったのに」
「遺産相続人はあんただったけど、うまい具合に本人は記憶喪失で」
「だから売ってサインできないようにしたのに……あんたが買ったのよねぇ?」
さっきまでの楽しそうな声から一変して、低めの声で結城くんを睨む叔母さん。
「ああ、まあね」
それを不敵な笑みでうける結城くん。
二人の間からは確かにピリピリとした嫌な空気が漂っているのに。
私にはそんなことを気にしている余裕は無かった。
両親が…他界。
飛行機事故。
…………。
ズキッ
「っ………」
頭に電流が流れるような痛みとともに、突然浮かぶフラッシュバック。
機内に響く悲鳴。
心臓が冷えるような浮遊感。
私を抱き締めるあたたかいもの。
「…今のが、飛行機事故………?」
今のが、私の記憶…?
「詩織…?」
名前を呼ばれてゆっくりと振り返る。
目の前には心配そうな結城くんの顔。
きっと私がいきなり頭を抱えて座り込んだから心配してるんだろう。
「大丈夫かい?」
「……うん、大丈夫」
「飛行機…事故」
「ええ、そうよ。その時乗っていた乗務員、乗客は全員行方不明もしくは死亡」
「それなのに、あなただけが生き残った」
「そんな……」
私だけが、生き残った……。
どうして…?
何で……?
なんだか泣きそうになって。
ふと結城くんを見ると、
今まで見たことのないくらい怖い顔で叔母さんを睨んでいた。
でもそれに全く気づいてない叔母さんは、今もなお笑い続けている。
「くすくす、でも私は感謝したぐらいよ」
「感謝……?」
「ええ。あなたが生き残ったのは別として、遺産をすべて残していってくれたんだもの」
「…そうよ、遺産はすべて私のものにするはずだったのに」
「遺産相続人はあんただったけど、うまい具合に本人は記憶喪失で」
「だから売ってサインできないようにしたのに……あんたが買ったのよねぇ?」
さっきまでの楽しそうな声から一変して、低めの声で結城くんを睨む叔母さん。
「ああ、まあね」
それを不敵な笑みでうける結城くん。
二人の間からは確かにピリピリとした嫌な空気が漂っているのに。
私にはそんなことを気にしている余裕は無かった。
両親が…他界。
飛行機事故。
…………。
ズキッ
「っ………」
頭に電流が流れるような痛みとともに、突然浮かぶフラッシュバック。
機内に響く悲鳴。
心臓が冷えるような浮遊感。
私を抱き締めるあたたかいもの。
「…今のが、飛行機事故………?」
今のが、私の記憶…?
「詩織…?」
名前を呼ばれてゆっくりと振り返る。
目の前には心配そうな結城くんの顔。
きっと私がいきなり頭を抱えて座り込んだから心配してるんだろう。
「大丈夫かい?」
「……うん、大丈夫」


