「なんと言われようと、仕事はしません」
私は一歩前へ踏み出してかっこよく言ってみたものの、
正直いうと怖い。
手も震える。
…けど怖がってちゃ前には進めない。
私は叔母さんをしっかり見つめて、彼女の言葉を待った。
「…こと……わ…に」
「え……?」
彼女はポソリと何か呟いた。
小さくてよく聞き取れなかったけど、
琴……?
ワニ……?
そんなことが聞こえたような気がする。
首を傾げていると、ぐいっと腕を引っ張られた。
「わっ…」
後ろに引っ張られて、バランスを崩した私は
そのまま結城くんの腕に納まった。
「あ、あの…結城くん?」
離して。と言おうとしたけど、
それは喉の奥で消えた。
それは、結城くんの腕が微かに震えていて
とても胸が痛むような切ない顔をしていたから。
結城くんは私を後ろから抱き締めたまま
「……お前はオレが守るから。
絶対に…………」
腕に力を込めて、今にも消えそうな小さい声でそう言った。
いきなりどうしたの?
そう聞きたかったけど、やめておいた。
代わりに腕をさすった。
優しく、宥めるように、何度も。
しばらくすると、そっと離してくれた。
壊れ物を扱うように、優しく。
「…ごめん、いきなり。痛かったろう?」
哀しそうな笑みを浮かべて謝る結城くんに、
私は微笑んだ。
「ううん。大丈夫」
向かい合わせで微笑みあって、
なんとなくほほえましい雰囲気の私たちに、叔母さんは釘をさした。
「ほら、路上でイチャついてないで荷物取りにきな」
そう言い残すと自分はさっさと家に入ってしまった。
叔母さんってKY。
空気読めない人だ。
なんて内心毒づきながら素直に家に入ろうとすると
突然手を掴まれた。
「結城くん?どうしたの?」
今度は声に出して言うと、彼は眉をひそめて一言。
「行かないほうがいい」
私は一歩前へ踏み出してかっこよく言ってみたものの、
正直いうと怖い。
手も震える。
…けど怖がってちゃ前には進めない。
私は叔母さんをしっかり見つめて、彼女の言葉を待った。
「…こと……わ…に」
「え……?」
彼女はポソリと何か呟いた。
小さくてよく聞き取れなかったけど、
琴……?
ワニ……?
そんなことが聞こえたような気がする。
首を傾げていると、ぐいっと腕を引っ張られた。
「わっ…」
後ろに引っ張られて、バランスを崩した私は
そのまま結城くんの腕に納まった。
「あ、あの…結城くん?」
離して。と言おうとしたけど、
それは喉の奥で消えた。
それは、結城くんの腕が微かに震えていて
とても胸が痛むような切ない顔をしていたから。
結城くんは私を後ろから抱き締めたまま
「……お前はオレが守るから。
絶対に…………」
腕に力を込めて、今にも消えそうな小さい声でそう言った。
いきなりどうしたの?
そう聞きたかったけど、やめておいた。
代わりに腕をさすった。
優しく、宥めるように、何度も。
しばらくすると、そっと離してくれた。
壊れ物を扱うように、優しく。
「…ごめん、いきなり。痛かったろう?」
哀しそうな笑みを浮かべて謝る結城くんに、
私は微笑んだ。
「ううん。大丈夫」
向かい合わせで微笑みあって、
なんとなくほほえましい雰囲気の私たちに、叔母さんは釘をさした。
「ほら、路上でイチャついてないで荷物取りにきな」
そう言い残すと自分はさっさと家に入ってしまった。
叔母さんってKY。
空気読めない人だ。
なんて内心毒づきながら素直に家に入ろうとすると
突然手を掴まれた。
「結城くん?どうしたの?」
今度は声に出して言うと、彼は眉をひそめて一言。
「行かないほうがいい」


