前の私なら、素直に家に入っただろう。
叩かれたくないから。
怒鳴られたくないから。
……自分のために。
けど、結城くんと章さんに話してる時
自分でもこれは違うって思った。
思ってるだけじゃ駄目だって
行動に移さなきゃって。
今が、そのチャンス。
「詩織っ!!!!」
私は、拳をぎゅっと握り締めると
何か言おうとした結城くんの前に手を出して遮った。
「詩織……?」
心配そうに表情を曇らせる結城くんに、微笑んでから
叔母さんを真っ直ぐ見据える。
「私は…もう仕事をするつもりはありません」
今までとは違う、強い意思を込めてきっぱりと言い放つ。
そんな私に驚いているのは叔母さんだけじゃなく
結城くんと章さんも同じだった。
「な、なに言ってるの?あんたに断る権利なんて……」
「もし」
まだ私に仕事をさせる気の、叔母さんの言葉を遮って
私は不適に笑う。
「……もし、私が今までのことを全て警察に話したら?」
「なっ……!!」
「倒産ですよね、会社。まちがいなく……。
しかも刑務所行き決定です」
「これでもまだ、私に断る権利はありませんか?」
「………」
私が言い終わると、
ひゅうっと口笛の音が聞こえた。
後ろを見れば、結城くんが面白そうに笑っていた。
「くすくす、詩織もなかなかやるね」
章さんも悪戯っぽく笑っている。
「ふふ、見事です。僕の出る幕ありませんね」
ただ1人。
叔母さんだけは、唇を噛み締めて私を睨んでいる。
「身寄りないからってあんたを引き取ってやったのに……。恩を仇で返すなんて、なんて娘なの
」
なんと言われようと、最終手段はそれしかない。
私はもう叔母さんの言いなりにはならない。
…そう決めたから。
叩かれたくないから。
怒鳴られたくないから。
……自分のために。
けど、結城くんと章さんに話してる時
自分でもこれは違うって思った。
思ってるだけじゃ駄目だって
行動に移さなきゃって。
今が、そのチャンス。
「詩織っ!!!!」
私は、拳をぎゅっと握り締めると
何か言おうとした結城くんの前に手を出して遮った。
「詩織……?」
心配そうに表情を曇らせる結城くんに、微笑んでから
叔母さんを真っ直ぐ見据える。
「私は…もう仕事をするつもりはありません」
今までとは違う、強い意思を込めてきっぱりと言い放つ。
そんな私に驚いているのは叔母さんだけじゃなく
結城くんと章さんも同じだった。
「な、なに言ってるの?あんたに断る権利なんて……」
「もし」
まだ私に仕事をさせる気の、叔母さんの言葉を遮って
私は不適に笑う。
「……もし、私が今までのことを全て警察に話したら?」
「なっ……!!」
「倒産ですよね、会社。まちがいなく……。
しかも刑務所行き決定です」
「これでもまだ、私に断る権利はありませんか?」
「………」
私が言い終わると、
ひゅうっと口笛の音が聞こえた。
後ろを見れば、結城くんが面白そうに笑っていた。
「くすくす、詩織もなかなかやるね」
章さんも悪戯っぽく笑っている。
「ふふ、見事です。僕の出る幕ありませんね」
ただ1人。
叔母さんだけは、唇を噛み締めて私を睨んでいる。
「身寄りないからってあんたを引き取ってやったのに……。恩を仇で返すなんて、なんて娘なの
」
なんと言われようと、最終手段はそれしかない。
私はもう叔母さんの言いなりにはならない。
…そう決めたから。


