「それに、名前負けするような生き方はしてないつもり」

「希望を起こす、いい名前だね」

「結惟ちゃんこそ、『惟』って『思い』って意味でしょ?思いを結ぶなんて、かっこいいよ!」

「ありがとう」

わたしもこの名前は好きだ。

偶然家が同じ方向なのと、お互い帰宅部なのが縁で、その日からわたしは起希ちゃんと一緒に帰るようになった。

「結惟ちゃんって、水泡君と前からの知り合いなの?」

「微妙なところ。一緒だったのは小4までで、それからは全然会ってなかったよ。入学式で再会するとは思わなかった」

会う資格も、わたしにはなかった。

「でも、寂しくなかった?好きな男の子と会えなくて」

す、好き!?

「そ、そんな、わたしと調君はそういうのじゃ……」

「そう?結惟ちゃん、水泡君のこと意識してたから」

「嘘……」

「そんなにあからさまなわけじゃないよ。気づいてるのはわたしだけかもしれない」

「まあ、確かに初恋は調君だったけど……」

今でも好きなのか、正直よく分からない。

それに、調君にはもっとふさわしい人がいるはず。

わたしなんかよりもふさわしい女の子が……