体育倉庫、技術室、音楽室…
何処を探して見つからなかった

聞き間違い、だったのか

そう思って反対方向へ歩き出したとき


「う、ぁ…」

泣き声が聞こえた

「どこ…どこだよ!」


なぁ、お前なんだろ
何におびえてんだよ

---高橋


「おい、高橋!」

呼びかけても、返事どころか泣き声も聞こえなかった
もう、残るは

プール

こんな寒いのに、プールなんて有り得ないって思ってたけど
この近くで探してないと言えばそこしかない


ゆっくりと歩いて、思い鉄の取っ手を開けた

「…」

高橋は、そこにいた
だけどその姿は…

体育座りで一瞬顔を上げて、俺に気づく

「ひっ」

後ろへ、後ろへとさがり、俺から離れる

「その格好、お前…」

「触らない・・で!」

白い肌に酷い痣
綺麗だった巻き髪が、酷く服と共にぼろぼろだった

その姿を見て、俺は全てを理解した

“これは、報いなの”

破れた長ズボンの下から見えた足は


機械、だった――――…