「……優、お前また飯抜きかよ」
「食いたくない、ジュースで十分だ」
「お前いつもそう言うよなあ。」
「そう言う笹原も、弁当なしじゃないか」
「俺は今から買いに行くの」

あっそ、と返してストローを噛む


「あ、見て見て!」

笹原が指差すのは、一人の少女

「高橋、アイツも飯抜きなんだぞ?
さすがモデル」
「…」

高橋かな
金髪の巻き髪が目立つ少女だった
世間ではあれを美女、と言うらしい

「理解不可能。
早く飯買ってこいよお前」
「つめてー了解ッす」

黙れ、と返せばさっさとその場を去って歌いながら歩き出した
金髪なんか、気色悪ぃ

ゴミを捨てに高橋の横を通り過ぎる時にそう呟いてやろうかと思ったが、後が面倒なので止めた

…そう言う俺だって、メッシュ入れてるし

何て考えながら次の授業をサボりに屋上へ向かった