「あぁ。もう、いらない」


違う。違うんだ。

いらない訳がない。

俺は、俺はっ…!


「…そ、だよね」

彼の冷たい言葉に、彼女は眼から光を消した。

そして。

「なら、死んだ方が楽だよね」

不意に、彼女が立ち上がり言った。

彼はバッ、と彼女を見た。

「あなたがいらないなら。あなたが必要としないなら。私は……」


彼女はそう言うと、ハサミを取り出した。

「!」

ビックリする彼に、彼女は。

「あなたの前で死ねるなんて。──…」