隣の席の山田君

私は、太極拳の呼吸法で気を沈め、素直に答えた。

「山田君に出会ってから、結構好きになったよ・・・。」

そういうと、筆を持たせ、私の手を握った山田君。

また、一緒に絵を描いた。

初恋の人と、こんな風に、根拠無しに親しくなっていいのかな?

犬神様がくれた、ひと時のチャンスと思って・・・。

「山田君、ねぇ、働いてるって本当?」

気になってることを聞いてみた。

すると、低い声で静かに答えてくれた。

「今日、9:00の番組を見れば分かる。」

9:00・・・か。