「ほーらっ、位置についてー! 1人が嫌なら僕と走ろうねー」 瑠優さんが背中を押してくる。 走りたくないなー。 「おいっ!俺のが速いだろっ! 胡桃、俺と走っぞ!」 もう誰でもいいよ。 どうせ本気ださなきゃいけないんでしょー? 「……そこの2人、うるさいから俺と走ろうね。 宮河先生、タイムよろしく」 「はい、わかりました。 位置についてー…」 翔さんが、 「本気出してよね」 と呟く。 「わかりました」 私はそう、応えた。