「…っー!」 頭、痛た。 また…視界がボヤけて…。 「……よいしょ」 え…。 「…翔…さ、ん?」 何、この格好…。 お姫様抱っこ…。 「……ダメでしょ、無理矢理立っちゃ」 翔さんは、そう言って悪戯っぽく微笑む。 後ろや横から息を飲む音や小さな悲鳴が聞こえた。 私達の騒ぎを聞きつけて、人が集まってきていたようだ。 「…どいて」 翔さんの冷たい一言で、集まってきていた人達が避け、道ができる。 注目浴びてんなー、私。