私が考えている間に、無意識か、翔さんが自分の腕につけている時計に目を向けた。 そして、固まる。 笑顔のまま、固まる。 「って、えっ?翔さん、どうかしましたか?」 「…遅れる」 ぽそっと呟いた言葉。 「もう6時だっ、バイトに遅れる! 蘭華、また明日」 ビュンっ と、風のように去っていった。 「あ…はい、また明日」