─── ── ─ 「ちょっと、聞いてる?」 その声で目が覚めた。 眠っていたわけではない。 ボーっと意識が飛んでいたの。 「翔たちは皆お休みだって。 静かだよね」 そう言われてみればそうかもしれない。 翔さんたちがいない。 「…なんで?」 「えっ!?気がつかなかったの? 胡桃、どうかしたの…?」 別にどうもしていない。 あえていえば、悩み事。 「仕事の都合だってさ。 なんか、皆すごいの入ってるらしいよ」 「ふーん…」 「胡桃澤財閥から」 「ふーん…え゙っ!?胡桃澤財閥!?」