「…少し、考えさせてください」 爽やかな笑みが消え去り、無表情になる。 「そう、じゃあ1週間ね」 見るからに苛立っているのだろう。 チッと舌打ちをした後、新しくきたオレンジジュースを飲み干し、席をたつ。 「1週間の2時。ここで」 伝票を持ち金額を確認する。 「私が払いますよ」 「いくら弟でも、それはなし。 これは男の仕事」 ここ、うちの系列だからゆっくりしていってね。 そう付け足して、足早に去っていった。 流石お金持ち。 仕草が紳士だ。 ほんの少しだけ、見とれていた。