「だって…嫌だったんですもんっ!
翔さんが女の子と歩いているなんて…胸が、苦しくて…
痛くて…。
泣きたくなったん、だもん…」
私の泣き顔だけが、響く。
周りがしんと静まりかえって…世界には私と翔さんしかいないように感じる。
「…従姉妹だよ。
…従姉妹が彼氏と喧嘩して、俺に慰められに来てたんだ。
こんなの恥ずかしくて…胡桃に言えるわけないでしょ」
制服の袖でもっと真っ赤になった頬を隠そうとしているのか、いないのか。
どちらにせよ隠れていない。
しがも、そんな可愛い事を言われたら私…恥ずかしくて。
体が熱くなり、心臓があり得ないくらいドキドキしている。
